近年、広告業界は紙媒体からWeb媒体へ予算が移るにつれて、Webデザイナーの数が増加しています。
Webデザイナーを目指している方や、ゼロイチで動き出している方で、Webデザインやバナー以外にも、名刺のデザインやチラシ、パンフレットのデザインをやってみる機会もある方がでてきますよね。
実際、
「Webデザイン以外にも、グラフィックデザインが気になる」
「今グラフィックデザイナーをやっているけどWebデザインにも挑戦したい」
「コーディングが苦手だから、グラフィックデザインにチャレンジできるかな?」
などと感じるWebデザイナーや、グラフィックデザイナーの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、グラフィックデザイナーとWebデザイナーの違いやそれぞれの将来性などについてまとめて紹介します。
Webデザイナーとグラフィックデザイナーの違いとは?
Webデザイナーとグラフィックデザイナーの違いをひとことでいうと、
パソコンやスマホ上に表示するものをデザインするか、紙に印刷するデザインするかです。
詳しく違いをお伝えしますね。
Webデザイナーは、WebサイトやLPと言われるランディングページなどパソコンやスマホ上に表示されるデザインするデザイナーのことを指します。
グラフィックデザイナーは、主に紙に印刷するチラシやポスターやフライヤーなどをデザインするデザイナーのことを指します。
会社の事業内容によって、この2つの職業を兼任されることもあります。
私も初めて入社した会社で「グラフィックデザイナー」として入社したけど、仕事としてWebデザイン、コーディングも行っていき、そのまま20年以上2つの職業を兼任しています。
では、グラフィックデザイナーとwebデザイナー、その仕事内容の違いをご紹介します。
Webデザイナーの仕事とは
Webデザイナーとは、ひとことでいうとWebサイト(ホームページ)を作る仕事です。
企業のホームページやサービスサイト、キャンペーンサイト、ランディングページ(LP)、ECサイトなどインターネット上にあるさまざまなWebページやコンテンツのデザインします。
クライアントの要望や目的に沿ってデザインし、それをパソコンやスマホで表示できるようにするためにコーディングをすることをします。
コーダーとデザイナーが分けられている場合もありますが、組織によってはコーディングのスキルを求められる場合や、コンテンツ更新の業務が発生することもあります。
デザインの制作だけではなく、ディレクターを中心に、コーダーやプログラマー・エンジニアとのコミュニケーションも発生することもあり、デザイン以外の知識も必要です。
グラフィックデザイナーの仕事とは
グラフィックデザインとは、印刷媒体のデザイン「紙モノのデザイン」のことです。
文字や写真、イラスト、図などのグラフィック要素を組み合わせて、デザインすることの総称をグラフィックデザインと呼んでいます。
グラフィックデザイナーの主な仕事はチラシやポスター、パンフレット、パッケージ、看板、雑誌など印刷物全般をデザインすることで、新聞・雑誌・書籍・看板・パッケージなど多岐にわたります。
しかし、最近ではWebで表示されるバナーやSNSの画像など、オンラインで使用される画像のデザインもグラフィックデザイナーの仕事に含まれます。
Webデザインとグラフィックデザインの違いとは?
Webデザインは画面を通したデジタルコンテンツのデザイン、グラフィックデザインは紙のデザインになるので、サイズや仕様、作り方などに違いがあります。
デザインするサイズ(紙 or Web)
印刷物のデザインでもWebデザインでも、サイズの規定があります。
紙はA4やB3など、広告を出す場所のサイズにあわせて制作します。
WebではWebサイトでは縦幅はスクロールすることができるので、主に横幅のみサイズを意識して制作します。
Webサイトの他によく制作するのがバナーやヘッダー、図解、アイコン、アイキャッチ画像があります。
それらは媒体にあわせて画像の縦横サイズや、ものによってはフォントのサイズが決まっています。
色・フォントなどのデザイン仕様
グラフィックデザインは、紙で見える色としてCMYKという色表現です。絵の具で色をつくるイメージです。
Webデザインは、RGBという色表現を使っていて、パソコンやスマホから見える色です。
グラフィックデザインは、パソコンにフォントをインストールして利用します。
印刷するときは文字をアウトラインして印刷するので、特殊な文字を利用しても誰でも読めるようになりっています。
Webデザインは、フォントはユーザーが閲覧するデバイス (パソコンやスマホ) の環境にインストールされているフォントが中心になります。
それに加えて、GoogleフォントなどWebフォントと呼ばれるフォント表示の仕組みを使って、よりデザインに特徴のあるフォントを使用することが多くなっています。
ですが、Webサイトで特殊なフォントを使うとサイトの読み込みが遅くなることがあります。
コーディングの有無
Webデザインは、デザインをコーディングをすることで完成します。
Webデザイナーがコーディングするか否かは組織の大きさや会社により異なります。
近年では分業化が進んでおり、フロントエンドエンジニアが担当することが多くなっています。
ただ、Webサイトをデザインする上で、最低限のコーディングは理解しておいたほうが良いでしょう。
グラフィックデザイン・印刷物のデザインは、コーディングをするという工程はありません。
使用するツール・アプリケーション
グラフィックデザインとWebデザインでは、Adobeのアプリを使います。
主に使用するのは、Adobe Illustratorと、Adobe Photoshopを使用します。
その他、エディトリアルグラフィックデザインの分野では、冊子フライヤーや雑誌など複数何ページをも作る場合はAdobe InDesignを使用することが多いです。
WebサイトのデザインはAdobe XDやFigmaを使うこともあります。
コーディングをするなら、テキストエディタが必要です。
多くのたくさんツールが登場し出てきて、大変に思うかもしれませんが、Adobeは一つのソフトを使うことができれば、他のソフトも直感的に使うことができます。
納品・完成後のメンテナンス、更新があるか?
グラフィックデザインは、追加の印刷をする場合を除いて、印刷後デザイナー自身がメンテナンスや更新することはありません。
WebデザインはWebサイトの更新や、ページの更新により改めてデザインをする必要やコーディングをする必要があります。
Webデザイナーとグラフィックデザイナーの共通の知識やスキル
Webデザイナーとグラフィックデザイナーの共通の知識やスキルは大きく2つあります。
それは、
・使用するアプリケーション
・デザインの基礎知識
です。
詳しく見ていきましょう。
使用するアプリケーション
デザインの基礎知識
Webデザイナーとグラフィックデザイナー、どちらがおすすめ?
Webデザイナーの将来性
WebデザイナーはWebサイトやバナー制作だけでなく、スマホアプリや駅などで採用されているデジタルサイネージ広告など、仕事の幅は広がっています。
他にもWebデザイナーのキャリアアップは、下記のように多岐にわたります。
・Webディレクター
・Webマーケター
・アートディレクター
・フロントサイドエンジニア
Webデザイナーとして働きながら、デザインを極めるのか、アプリのデザインに進むのか、マネジメントやクライアントと直接やり取りをするWebディレクターの道に進むのか、マーケティングをサポートする仕事をするのか、様々な道があります。
グラフィックデザイナーの将来性
印刷物などのグラフィックデザイン自体は、年々少なくなってきている傾向にありますが、完全になくなることはありません。
グラフィックデザイナーとしてデザインの経験を積んだ方は元のデザイン力、平面構成力、ビジュアル作成力、写真の合成・レタッチ能力など、デザインする全般スキルが優れているので、これらはWebなどのデジタルの分野でも十分に応用ができます。
グラフィックデザイナーをしていると、Webのデザイナーよりも途中で誤植を発見した場合、修正できない場合が多いので、細かいところにも気がつくデザイナーとして重宝されます。デザインだけでなく他の業務にも活かせます。
Webデザイナーからグラフィックデザイナーへの転身は可能!
Webデザイナーからグラフィックデザイナーを目指したい方は、デザインをメインに学ぶと様々なデザインができるようになります。非常に重宝されるので、身につけるスキルとしていいことしかありません。
Webデザイナーからグラフィックデザイナーへの転身のハードルは高くありません。
コーディングの知識やUIの勉強をしておくとより転身しやすいでしょう。