「広告デザイナー」と「グラフィックデザイナー」
この2つの違いについて考えたことはありますか?
デザインの仕事に興味がある方や、これからデザインの仕事を始めようと考えている方に、現場で働くデザイナーの視点から、両者の違いについてお話ししていきます。
「広告デザイナー」って呼び方、そもそも現場では使わない
広告デザイナーとグラフィックデザイナーの違いなんですが、そもそも結論から言うと、「広告デザイナー」という呼び方は、現場ではあまり使われていないんです。
求人サイトで「広告デザイナー」と検索しても、ほとんど求人が出てこないのが現状です。
では、なぜ「広告デザイナー」という言葉があるのでしょうか?
これは、グラフィックデザインという広い分野の中で、特に広告制作に特化したデザイナーを指す言葉として使われています。
厚生労働省の職種分類にも「広告デザイナー」という項目があるため、制度上の理由でこの言葉が残っているようです。
広告デザイナーは、グラフィックデザイナーの専門分野
グラフィックデザイナーの仕事は実はとても幅広く、その中で得意分野や専門分野が分かれています。
例えば、わかりやすく言うと・・・
- 広告に特化している人 → 広告デザイナー
- 書籍のデザインを専門にしている人 → ブックデザイナー、エディトリアルデザイナー
- パッケージデザインを専門にしている人 → パッケージデザイナー
このように、グラフィックデザイナーという大きな枠組みの中で、それぞれの専門分野を持っています。
チラシやPOP制作をする仕事は、POPデザイナーではなく、グラフィックデザイナーと呼んでますね!
グラフィックデザイナーの仕事の実態
グラフィックデザイナーと聞くと、大手企業のポスターやロゴデザインを手がける華やかな仕事をイメージする方も多いですよね。
確かに昭和からバブル期にかけては、亀倉雄策さん、田中一光さん、永井和正さん、福田茂雄さんといった著名デザイナーたちが、企業のポスターやシンボルマークのデザインで活躍し、それが「花形の仕事」とされていました。
ですが、これはグラフィックデザインの仕事のごく一部。
実際には、世の中には数多くのグラフィックデザイナーがいて、その多くは地域の企業や店舗のチラシ、パンフレット、会社案内といった、比較的地味な制作物を日々手がけています。
こういった仕事の方が圧倒的に数が多く、デザイナーの大半はこのような仕事に携わっているのが現状です。
広告デザイナーとグラフィックデザイナーの違いって?
実際に、広告デザイナーとグラフィックデザイナーの違いを比較してみましょう。
項目 | 広告デザイナー | グラフィックデザイナー |
---|---|---|
仕事範囲 | 主に広告物(チラシ、ポスター、バナー広告など)の制作に特化 | ロゴ、パッケージ、書籍、広告など、印刷物全般のデザイン |
必要な知識 | デザインスキルに加え、マーケティングや消費者心理の知識が必須 | デザイン全般の知識(レイアウト、タイポグラフィー、色彩など) |
制作の目的 | 商品やサービスの販売促進、ブランド認知度の向上 | 目的は案件によって様々(情報伝達、ブランディング、装飾など) |
働く場所 | 主に広告代理店や制作会社 | デザイン事務所、印刷会社、企業の内製チーム、フリーランスなど |
クライアントとの関係 | 打ち合わせや提案が多く、密なコミュニケーションが必要 | 案件による(直接のやり取りが少ない場合もある) |
広告デザイナーとグラフィックデザイナーの違いの一般的な傾向なんですが、実際の現場では役割が重なることも多いです。
最近では、デジタル化の影響で両者の境界線がさらに曖昧になってきています。
グラフィックデザイナーとして働きながら、広告制作を主な仕事にしているケースが多いのが現状です。スキルの幅を広げることで、より多くの仕事機会につながります。
広告デザイナーに必要なスキルと知識
広告デザインを専門とする場合、一般的なグラフィックデザインのスキルに加えて、以下のような専門知識が必要になりますよ。
マーケティングの基礎知識
広告デザインで成果を出すには、見た目の美しさだけでなく、マーケティングの視点が欠かせません。
まず重要なのが、ターゲット層の理解です。年齢、性別、職業といった基本的な属性だけでなく、その人たちの生活習慣や価値観、悩みや願望まで深く理解する必要があります。
例えば、同じ商品の広告でも、ターゲットが20代の女性なのか、40代の男性なのかで、使用する色やフォント、レイアウト、キャッチコピーなど、すべての要素が変わってきます。ターゲットが何に共感し、何に反応するのかを理解していなければ、効果的な広告は作れません。
また、広告効果の測定・分析の知識も重要です。
特にWebバナーなどのデジタル広告では、クリック率や購買率などの数値データを確認しながら、デザインを改善していく必要があります。A/Bテストの実施方法や、データの読み方なども押さえておきましょう。
クライアントとのコミュニケーション力
広告デザインの仕事では、クライアントとの密なコミュニケーションが不可欠です。
クライアントが求めているのは、単なる「かっこいいデザイン」ではありません。その広告を通じて達成したい目的があり、その実現のためにデザインを依頼しているのです。
まず大切なのが、クライアントの事業や商品に対する深い理解です。商品の特徴や強み、他社との違い、ターゲット層、販売戦略など、様々な情報を正確に把握する必要があります。そのためには、適切な質問を投げかけ、時には踏み込んだヒアリングも必要になります。
また、デザイナーとクライアントでは、使う言葉や視点が異なることも多いです。デザインの専門用語を使わず、クライアントにもわかりやすい言葉で説明する能力や、クライアントの要望を具体的なデザイン要素に落とし込む力が求められます。
デザイン案を提示する際も、なぜそのデザインにしたのか、どのような効果を期待しているのかを、論理的に説明できることが重要です。
トレンド把握力
広告デザインの世界では、トレンドの変化が非常に早いです。
特に近年は、SNSの普及やデジタル技術の進化により、新しい表現方法や広告手法が次々と生まれています。効果的な広告を作るには、これらのトレンドをキャッチアップし、適切に取り入れる力が必要です。
トレンドには大きく分けて、デザイン面のトレンド(色使い、フォント、レイアウトなど)と、広告手法のトレンド(訴求方法、メディアの使い方など)があります。例えば、最近ではSDGsへの関心の高まりを受けて、環境や社会貢献を意識したメッセージやビジュアルが増えています。また、短尺動画広告の台頭により、静止画とは異なる新しいデザインアプローチも求められています。
ただし、闇雲にトレンドを取り入れればいいわけではありません。
そのトレンドがターゲット層に受け入れられるのか、クライアントのブランドイメージに合っているのか、きちんと見極める目も必要です。
デザインのトレンドを押さえつつ、広告の本質的な目的を見失わないバランス感覚が、プロの広告デザイナーには求められます。
広告デザイナーとグラフィックデザイナーの違いまとめ
広告デザイナーとグラフィックデザイナーの違いは、専門性の違いと言えます。
グラフィックデザイナーは幅広いデザイン業務に携わる職種で、その中でも特に広告制作に特化している人を広告デザイナーと呼んでいます。
ただし、現場では「グラフィックデザイナー」という呼び方が一般的です。仕事を探す際も、「グラフィックデザイナー」という職種で探すことをおすすめします。
デザインの仕事に興味がある方は、まずはグラフィックデザイナーとしての基礎スキルを身につけ、その上で自分の得意分野や興味のある分野を見つけてみてください。
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