初心者Webデザイナー、グラフィックデザイナーのみなさん
「書体」と「フォント」って、同じ意味で使ってませんか?
確かに似てる言葉なんですが、実は厳密には意味が違うんです!
今回は、この2つの違いをしっかり解説していきます。
「書体」とは簡単に
「書体」は、文字のデザインの「種類」や「分類」を表す言葉です。
例えば、「明朝体」「ゴシック体」「楷書体」といった大きな分類のことですね。
たとえば料理に例えると、「和食」「洋食」「中華」みたいな感じ。
それぞれの料理ジャンルには、独自の特徴があるのと同じように、書体にも固有の特徴があるんです。
代表的な書体の特徴
- 明朝体:縦線が太く、横線が細い。右端と右肩に「うろこ」と呼ばれる飾りがついています。小さい文字でも読みやすいのが特徴!
- ゴシック体:線の太さが均一で、シンプル。看板やWebサイトでよく見かけますよね。
- 丸ゴシック体:ゴシック体の角を丸くした、やわらかい印象の書体です。
「フォント」とは簡単に
「フォント」は、実は活版印刷の時代から使われている言葉なんです。
当時は、同じデザイン・同じサイズの活字一式のことを指していました。
現代では、「書体」のデジタルデータのことを「フォント」と呼びます。
つまり、パソコンにインストールして使う、実際の文字データのことですね。
代表的なフォントの特徴
- 游明朝: 伝統的な明朝体の特徴を残しながら、文字に丸みを持たせた、柔らかな印象の和文フォント
- 源ノ角ゴシック: シンプルで読みやすい現代的なデザイン。豊富なウェイトと多言語対応が特徴の和文ゴシック体
- Arial: シンプルで読みやすい欧文フォント。画面表示に最適化された、ビジネスでも多用されるスタンダード書体
- Helvetica: モダンでクリーンな印象の欧文フォント。バランスの良さから、ロゴやサイン等でよく使用される定番書体
フォントと書体の違いは?
「書体」と「フォント」の関係って、実はスマートフォンとiPhoneの関係に似ているんです!
「スマートフォン」が大きな分類(書体)で、
「iPhone 15」「iPhone 14」といった具体的な製品がフォントにあたります。
例えば、明朝体という「書体」の中には、「游明朝」「リュウミン」「MS明朝」といった具体的な「フォント」が存在します。
これらはすべて明朝体の特徴(縦線が太く、横線が細い、ウロコがある)を持っていますが、微妙に個性が違います。
游明朝は少し丸みを帯びた感じ、リュウミンはスッキリとした印象、MS明朝は標準的な雰囲気、といった具合です。
つまり「書体」は文字デザインの設計思想や基本的な特徴を表す概念で、「フォント」はその特徴を実際のデータとして具現化したものと言えます。
同じ書体でも、フォントによって微妙な表情の違いがあるんです。デザイナーとして、この違いを理解しておくと、より豊かな表現が可能になりますよ!
- 書体=「スニーカー」という種類
- フォント=ナイキのエアマックス、アディダスのスーパースター、など具体的な商品
フォントと書体の違いをなぜ知っておく必要があるの?
「まぁ、どっちでも同じでしょ?」って思う人もいるかもしれません。確かに日常会話では、そこまで厳密に使い分ける必要はないかもしれません。でも、プロのデザイナーとして知っておくと、仕事の幅がグッと広がるんです!
例えば、クライアントとの打ち合わせで「明朝体っぽい感じで」という要望があった時。「書体」と「フォント」の違いを理解していれば、「はい、明朝体で優しい印象を出すなら游明朝、格調高い感じなら秀英明朝、読みやすさを重視するならリュウミンがおすすめです」といった具体的な提案ができます。
また、デザインの意図を説明する時も、「書体選びのコンセプト」と「具体的なフォントの使い分け」という2段階で説明できるので、クライアントの理解も深まります。さらに、似たような書体でも、フォントによって微妙に表情が違うことを知っていれば、より繊細なデザイン表現も可能になりますよ!
- クライアントとの会話が正確になる
- デザインの意図を明確に伝えられる
- フォント選びの視野が広がる
実践的な使い方
デザインの現場で「書体」と「フォント」、具体的にどう使い分ければいいのでしょうか?
例えば、企業ブランディングの案件では、最初のディレクション時に「企業イメージに合わせて明朝体で優雅さを表現します」といった「書体」レベルの話をします。
その後、実際のデザイン提案では「ロゴには秀英明朝を、本文にはリュウミンを使用することで、統一感のある仕上がりに」といった「フォント」レベルの具体的な提案をしていきます。
プレゼン資料なら、「全体のデザインコンセプトは、ゴシック体のシャープさを活かしたモダンな印象に」(書体)から、「タイトルにはUD角ゴシック、本文には可読性の高いヒラギノ角ゴシックを採用します」(フォント)といった説明の流れがスムーズです。
このように、コンセプトを語る時は「書体」、具体的な指定をする時は「フォント」と使い分けることで、クライアントとのコミュニケーションもより正確になりますよ!
- 「全体的な印象について」→「書体」を使う
例:「この案件は明朝体で、格調高い感じを出していきましょう」 - 「具体的な指定をする時」→「フォント」を使う
例:「タイトルは游明朝で、本文はリュウミンを使用します」
フォントと書体の違いまとめ
「書体」と「フォント」、ちょっとした違いですが、知っているのと知らないとでは大きな差が出ます。
特にクライアントとの打ち合わせでは、正確な用語を使うことで、プロフェッショナルな印象を与えることができますよ!
ぜひ、この違いを意識して使い分けてみてくださいね!